2017年2月に行った手術実績です。
まきのはら皮膚科は、イボ、ほくろ、粉瘤、巻き爪などの手術も手掛けている数少ない皮膚科クリニックです。
過去の手術実績はこちらをご覧ください (手術実績 2016年 7月度 8月度 9月度 10月度 11月度 12月度 2017年 1月度 各月をクリック)。
最近ではブログにアップした過去のくりぬき法で行った粉瘤の手術記事(肩1 顔面1 肩2 顔面2)を見て、遠方より受診される方が増えており、開院以来最多のくりぬき法の件数となりました。
2月は皮膚生検にて、基底細胞がんが見つかりました。
受診したきっかけは、他の皮膚腫瘍についてで、そちらを切除するときに偶然発見しました。周囲に老人性いぼが多発しており、一見それらとそっくりなため、患者さんにとっては全く区別がつきません。
よく話を聞くと、数十年前に発生部位を含んだ範囲に、放射線治療を受けたことがあるそうです。そのエピソードを聞いて、私が名古屋大学皮膚科に入局したばかりの頃に担当させていただいた患者さんの顔がよみがえってきました。
その患者さんも今回の患者さんと同じく、何十年も前に受けた放射線治療の部位に基底細胞がんが多発していました。この症例は学会・論文発表もしています(院長の学術業績参照 半田芳浩、高鍬幸古、山田元人、小野博紀、富田靖 放射線照射後の健常皮膚に見える部位に多発した表在型基底細胞癌の1例 皮膚科の臨床42;171-174,2000)。
皮膚がんは、ときに放射線照射後何十年も経った頃に発生することがあり、要注意です。
開院して間もないころに、他院で鼻の3ミリほどの黒色斑を切除することになったけど、そこでの説明が不安で来院された患者さんがいらっしゃいました。最初に受診されたクリニックは皮膚科は標榜されているけれど、皮膚科専門医ではありませんでした。一目で基底細胞がんとわかりましたので、その旨を説明して総合病院に紹介させていただき、無事に手術を終えました。
皮膚科専門医は皮膚がんを見分ける(鑑別する)トレーニングを日々積んでいます。確定診断は切除標本の病理診断となりますが、たった3ミリの色素斑でも、ダーモスコピー(詳しくはこちら)などを駆使しながら、見た目でおおよその検討をつけることができます。
心配な皮疹がある場合は、ぜひ早めの皮膚科専門医の受診をお薦めいたします。
まきのはら皮膚科では、皮膚科・アレルギー専門医(他にもリウマチ専門医、抗加齢医学会専門医)として、質の高い専門科診療を心がけています。
母斑(ほくろ) 10件
脂漏性角化症(老人性いぼ) 1件
粉瘤 13件 (くりぬき法で摘出)
皮膚線維腫 2件
毛細血管拡張性肉芽腫 1件
日光角化症 1件
脂腺過形成 1件
軟性線維腫 1件
部分生検 3件
陥入爪(巻き爪) 2件 (フェノール法)
手術は、原則月・火・金の13~14時(予約制)です。