診療ブログ



2016年4月23日 学会

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私は皮膚科専門医のほかに、日本リウマチ学会認定 リウマチ専門医も取得していますので、知識のアップデートと更新単位の取得のために、第60回日本リウマチ学会に参加してきました。

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今回は60回記念ということで、記念展示会も行われていました。

リウマチ学会に参加している皮膚科医は非常に少数です。私が調べた限りでは、皮膚科専門医とリウマチ専門医を両方取得している医師は全国で17名、名古屋市では私を含めて5名のみです(2016年4月現在)。

“皮膚科医なのになぜリウマチ学会?”と思われる方が多いのではないでしょうか。

リウマチと聞くと一般的にはすぐ“関節リウマチ”が浮かんできますが、リウマチ性疾患は200種以上に及び、皮膚科領域では“全身性エリテマトーデス”・“強皮症”・“皮膚筋炎”などの膠原病が含まれています。

皮膚科専門医を受験した際に、もちろん“膠原病”も一通り勉強し直しましたが、日々の臨床では、なんとなく“膠原病”は苦手な分野と感じていました。

市中病院の皮膚科部長として赴任するにあたって、“膠原病”は避けて通れない重要な皮膚疾患の領域なので、これを機会に“苦手分野から得意分野にしてしまおう”と決意しました。

強制的に勉強するにはどうしたらよいか?  “そうだ、学会に入会して専門医を取得してしまおう!”

専門医取得には受験資格を得るために学会参加が必要だし、当然試験勉強をしなくてはなりません。試験勉強は期日が決められた最高の強制力となります。

専門医試験は毎年1月中旬にあり、まさか40歳を超えて年末年始をつぶして、センター試験前の受験生のように勉強するはめになるとは…..その頃は思いもしませんでした。試験内容は臨床の現場ではあまり意識しない基礎的分野から、専門分野外の整形外科領域の手術関連問題まで容赦なく出題され、私が取得した4つの専門医の中で一番苦労しました。

リウマチ専門医の取得過程には、面白いエピソードがありますので、また紹介します。



2016年3月20日 学会

 

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本日は第275回日本皮膚科学会東海地方会に参加してきました。今回の地方会は今年の3月で退任される藤田保健衛生大学皮膚科の松永佳世子教授の記念地方会でもありました。

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会場は若い男性で盛り上がっており、

松永教授の人気ここまできたか!?と驚いていると、

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なるほど、そういうことか….

 

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地方会にも関わらず北は秋田から南は沖縄まで全国各地から58題もの演題が寄せられており、この数年では最多の演題数でした。通常地方会は大学皮膚科新入局員が最初に経験する学会発表の場であり、専門医受験前の若手医師の発表が主体ですが、今回は教授クラスの発表も散りばめられ、レベルの高い全国学会さながらの地方会となっていました。

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私が名古屋大学皮膚科に入局した最初の年に、名大同門会の先輩である松永先生(当時は保大講師)が医局会後に開催された特別講義に来られたときのことを今でも鮮明に覚えています。目の覚めるような鮮やかな上下黄色のスーツを着こなし、切れ味鋭く理路整然とした明快な講義内容に聞き入ってしまいました。この先生はいつか保大の教授になられるに違いないと確信したものです。それから間もなくして、期待通りに教授に昇任されました。

大学院時代にある研究会で発表とパネル討論をしたことがありました。発表の時にあまり突っ込んでほしくない部分があり、さらりと流して無事に終えた後、指定されていた松永教授の隣の控え席に戻りました。ほっと胸をなで下ろそうとした瞬間に、松永教授から速攻でぼやかした部分を質問されました。あえて聴衆の面前で質問するのではなく、壇上を降りてから個人的に質問された優しい配慮に感謝しながら、いつもながらのその鋭さに感服しました。

また私が名古屋大学大学院を終了して、最初に赴任した市中病院で、診断に苦慮した患者さんを松永教授に紹介したことがありました。すぐに電話がかかってきて、鋭い質問をされた後、病理標本を送ってほしいとのことでした。

びっくりしたのは、その後紹介状の返事が来た時です。大学病院に紹介すると、1~2行の定型文の返信が戻ってくればよい方で、全く返事のないことも多いのですが、松永教授の紹介状の返事は、臨床症状から病理組織所見までびっしり2ページにわたり、私が困っていた症例を見事に診断されて治療指針を述べらていました。

忙しい大学教授が、これほど丁寧に紹介状の返信をされる姿勢とその卓越した臨床能力に感心しました。おそらく若手医師に対する教育的指導の意味もあったのでしょうが、現在まであの時の松永教授からいただいた内容を越える紹介状の返信をもらったことはありません。

私は直接師事したわけではありませんが、間接的に多くのことを学ばせていただきました。この場を借りて御礼申し上げます。これからも現役時代と変わらず、学会などでご活躍されることを願っております。

 

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