診療ブログ



2016年10月17日 診療録

9月度の手術実績をUPしました(詳細はこちら)。

本日も朝一で、10年前からある粉瘤を切除希望の患者さんが来院されました。

肩の粉瘤の手術は2016年10月3日の記事でも紹介しましたが(詳しくはこちら 顔面はこちら)、今回は“くりぬき法”の手術中の写真をお見せしながら紹介いたします。

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肩の約4cmの粉瘤です。真ん中に小さな黒点(へそ)があり、そこに4ミリの円形メスで孔を開けます。

いつものように臭い粥状の内容物(垢)を押し出した後、孔の縁から袋(嚢腫壁)の端をつかんで、周りの組織から剥離していきます。

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袋がだんだん剝がれてきて、そろそろ腫瘍の底部です。

無事に袋(嚢腫壁)を、すべて摘出できました。袋を取りきらないと、再発してしまいます。

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手術時間は10分もかかっていません。術創は4ミリの小孔ですみ、出血もほとんどありませんでした。

 

くりぬき法は傷跡も小さく、患者さんにとっては手術後の処置も簡単で負担の少ない手術法ですが、意外に得意な皮膚科医は少ないです。

他院で“くりぬき法”を断られた方も、お気軽に相談にいらしてください。



2016年10月14日 診療録

9月度の手術実績をUPしました(詳細はこちら)。ほくろやイボよりも、粉瘤の手術が多くなりました。

以前紹介した肩の粉瘤(詳しくはこちら)に続き、今回は顔面の粉瘤の“くりぬき法”の紹介です。

いつもお世話になっている業者さんが、頬の粉瘤を取ってほしいとのことで、朝一番で来院されました。

4-5年前から少しずつ拡大してきており、以前大垣の外科クリニックを受診したけれど、そこでは手術を断られたとのことでした。

感染もなく、何とかくりぬき法で取れそうな触感(これは経験上の勘です)。ちょうど手術枠が空いていたので、お昼過ぎに出直していただくことにして、当日手術することにしました。

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表面から出っ張っている部分は2~3cmほどでしたが、その周りの皮下にも触れ、全体では5cmほどでした。頬にこれだけの皮下腫瘤があると目立ちます。

局所麻酔をして、4ミリの孔を開け白色内容物(垢)を押し出していると、局所麻酔で袋と組織の間がうまく剥がれたのか、粉瘤の本体である袋(嚢腫壁)の大部分も一緒に出てきました。

 

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これは残っていた袋の残骸です。

予想していたよりも短い時間で終わり、顔面にもかかわらず、出血もほとんどありませんでした。

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約5cmあった皮下腫瘤を4ミリの孔から引っ張り出せました。これを葉状(紡錘形)に切っていたら、頬に大きなキズが残ってしまいます。

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約2週間後の傷跡です。

小さな傷跡ですむことは、“くりぬき法”の最大の利点です。

 

くりぬき法は傷跡も小さく、患者さんにとっては手術後の処置も簡単で負担の少ない手術法ですが、意外に得意な皮膚科医は少ないです。

他院で“くりぬき法”を断られた方も、お気軽に相談にいらしてください。



2016年10月12日 お知らせ診療録

2016年9月に行った手術実績です。

まきのはら皮膚科は、イボ、ほくろ、粉瘤、巻き爪などの手術も手掛けている数少ない皮膚科クリニックです。

毎月手術件数が増えてきました。(手術実績 7月度 8月度 は各月をクリック)

今月は若い女性の巻き爪(陥入爪)の手術を行いました。手術前は不安そうでしたが、手術直後に「今まであんなに歩くと痛かったのが、嘘のように痛みがない!」と、晴れやかな笑顔で帰路につかれたのが印象的でした。

電気手術器
電気メス

 

母斑(ほくろ)        8件

脂漏性角化症(老人性いぼ)  7件

粉瘤             12件 (くりぬき法で摘出)

脂肪腫            1件

その他皮膚良性腫瘍      5件

(皮膚線維腫、石灰化上皮腫、神経線維腫、軟性線維腫、稗粒腫)

陥入爪(巻き爪)      2件 (フェノール法

 

手術は、原則月・火・金の13~14時(予約制)ですが、外来の混み具合によってはその日に可能な場合もあります。

当日手術希望の方は、現在は平日のお昼頃が狙い目です!



2016年10月3日 診療録

まきのはら皮膚科では、各種皮膚腫瘍の手術も行っています(7月手術実績 8月度手術実績)。

 

ほくろやいぼに次いで多いのが “粉瘤(詳しくはこちら)” です。

皮膚の中にクリクリとしたしこりができ、腫瘍の本体は皮膚でできた袋です。その中に垢がたまって大きくなり、化膿することもあります。

当院では粉瘤に対しては、大きく切らずに小さな孔から袋を摘出する “くりぬき法” を行っています。

“くりぬき法” についての問い合わせも増えてきましたので、実際の写真をお見せして説明します。

 

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右肩の小指頭大のしこりで来院されました。

粉瘤だろうと予測して4ミリの小孔を開けると、案の定おからのような内容物(垢)が出てきました。内容物をすべて排出した後、腫瘍本体である袋を周囲の組織から剥離して摘出しました。

摘出した袋(腫瘍本体)です。これを取り出さないと、また再発してしまいます。

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傷跡は、大きく葉状(紡錘形)に切除するより、うんと小さくてすみました(4ミリ孔)。この傷跡なら1-2週間で治ってしまい、目立ちません。

 

くりぬき法は傷跡も小さく、患者さんにとっては手術後の処置も簡単で負担の少ない手術法ですが、意外に得意な皮膚科医は少ないです。

他院で“くりぬき法”を断られた方も、お気軽に相談にいらしてください。



2016年9月30日 診療録

まきのはら皮膚科で、疾患数ベスト3に入るのが “手荒れ(主婦湿疹)” です。子育てをがんばっているお母さま方が多い地域です。

 

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先日みえた患者さんも典型的な手湿疹だったので、塗り薬の説明をしていると、心配そうな顔をしています。

理由を訊くと、

「全部前医で処方してもらっていたことのある塗り薬で、それらで効かないからここに来た」

効くはずの薬なので塗り方を尋ねると、少しずれています。塗り方の工夫を再度説明して、内容は同じだけど形状がすこし違った塗り薬を処方しましたが、まだ半信半疑でした。

1週間後に再診していただくと、

「毎朝どんどん良くなってきたので、自信をもって処置ができた。3年間もいろいろな病院を転々としてきたけど、こんなことは初めてでした」

明るい表情で話してくれました。

料理も食材は同じでも、料理人の火加減、ゆで加減、ほんの少しのスパイスの手加減で、美味しくも、まずくもなります。

保険診療で使用できる薬は、全国どこでも同じです。たとえ同じ薬でも、塗り方を一工夫するだけで効果が大きく変わることがあります。

物事は、一ひねりすると改善するけど、二ひねりもするとうまくいかないことが多いように感じます。ここら辺のさじ加減が難しいですね。

手荒れでお悩みの方は、お気軽にご相談ください(手湿疹の詳しい説明はこちら)。

 



2016年9月28日 診療録

他院で約4か月前から診てもらっているけど、かゆみや紅みがなかなかひかないと、まきのはら皮膚科のHPをご覧になって患者さんが来院されました。

当院のHPで、“皮膚科専門医は未だ少なく、標榜はしているけれど皮膚科専門医ではない医院も多いので、治療が長引いている場合は注意しましょう(詳しくはこちら)”と書かれているのを読んで、自分のことだと思ったとのことでした。

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診察すると、部位も症状も典型的な “あせもによる湿疹”

前医で処方された薬をみると、塗り薬が弱かったので、外用薬を少し修正しました。念のために4日後に再診していただくと、

「びっくりするくらい、すぐ退いてきました! 毎朝皮疹が退いてくるのをみるのが、楽しみでした!」 初診のときとは見違えるくらいの明るい表情で言われました。

前医での治療は方向性は合っていましたが、こういう微調整が専門医でないとできません。少し修正するだけで4か月苦しんできたかゆみが、4日で見違えるほど改善することもよく経験します。

皮膚科専門クリニック以外で皮膚病の薬をもらっている場合は、一度皮膚科専門医のチェックを受けることをお薦めします。

まきのはら皮膚科では、皮膚科専門医(他にアレルギー専門医、リウマチ専門医、抗加齢医学専門医を併せ持つ)が責任をもって診療にあたっています。



2016年9月21日 診療録

男の子なら一度は通る道 「カブトムシ・クワガタ」

まきのはら皮膚科は幼稚園から小学生まで、小児の患者さんが多数訪れます。

男の子が診察室に「カブトムシ・クワガタ」百科事典を抱えて入ってきました。話を聞くと先ごろ飼っていたコクワガタが天寿を全うしたとのこと。

少し痛い治療でもがんばっているし、無事にママの許可も降りたため、私がブリードしている世界最長のクワガタである“ギラファノコギリクワガタ”2ペアをプレゼントしました。

オスは体長10cmを超える我が家で一番大きかった個体、迫力あるフォルムに一緒にいた妹さんと二人で大喜び!処置の痛みなんか、吹っ飛んでしまったようでした。

忙しい診療の合間に、こんな笑顔が見られると、診察室が和みます。

約束通り、ちゃんと自分で世話できているかな?

昆虫を通して、生命の尊さを学んでもらえればと思います。



2016年9月9日 お知らせ診療録

まきのはら皮膚科は、皮膚腫瘍の切除まで手掛けている数少ない皮膚科クリニックの1つです。

手術・処置用照明器
手術・処置用無影灯

 

2016年8月に行った手術実績です。

先月(7月度の手術実績はこちら)より切除した皮膚腫瘍のバラエティー(?)が増えました。

 

母斑(ほくろ)          6件

脂漏性角化症(老人性いぼ)  5件

粉瘤               5件 (くりぬき法で摘出)

日光角化症          1件

その他皮膚良性腫瘍      12件

(石灰化上皮腫、皮膚平滑筋腫、皮膚線維腫、軟性線維腫、神経線維腫、肥満細胞腫ほか)

 

手術は、原則月・火・金の13~14時(予約制)ですが、外来の混み具合によってはその日に可能な場合もあります。

当日手術希望の方は、現在は平日のお昼頃が狙い目です!



2016年9月6日 診療録

2016年7月11日にオープンして、2か月もたたないうちに本日患者数が1000人を超えました!

延べ人数ではなく、実人数です。

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一番最初の患者さんは、とびひの小児でした。本当は2番目に来院されたのですが、一番最初に来た女児は来院時間が早すぎてまだ入口が開いておらず、近隣で時間をつぶしに行ったあとでした。2番目になってしまった女児が「一番じゃなきゃ嫌だ~」ってぐずっていました。

あれから、もう1000人もの患者さんが来院してくださったと思うと、本当に有り難いです。

小児の患者さんが多く、看板に小児皮膚科と表示されているので、今でも“まきのはら皮膚科では、大人は診察してもらえませんか?”と問い合わせがあります(過去のブログ記事“もちろん大人も診療しています”参照

今でも小児では“とびひ”も多く、あせもや虫刺され、水いぼを取ったりして賑わっています。

成人では子育て奮闘中のお母さん達が多いため、手荒れ(主婦湿疹 詳細はこちら)が多いです。手荒れにはもちろん塗り薬を処方しますが、一工夫するとひび割れやガサツキがとても早く治ります。これから冬になるとお湯を使う機会が増えるため、ひび割れやガサツキがひどくなる方が増えてきます。ベテランの看護師が塗り方を丁寧に説明しますので、お気軽にご相談ください。

また9月より要望が高かったため、美容系のメニュー(詳細はこちら)も追加しました。

いわゆる“にんにく注射”をはじめ、プラセンタ(ヒト胎盤エキス)、にきび、美白・美容、疲労回復、体質改善・肝臓保護、肩こり・腰痛(筋肉痛)・眼精疲労改善やダイエット注射・点滴から始めています。飲み薬より、血中にダイレクトに成分を注入する注射の方が効果が高いです。

特にプラセン(詳細はこちらの注射は、女性に人気があります。迷ったら最初はプラセンタをお薦めします。

これからも皮膚科診療を通じて、地域の皆様に貢献できるクリニックとなれるよう、スタッフ一同努力してまいりますので、よろしくお願いいたします。



2016年8月31日 お知らせ診療録

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男性型脱毛(AGA)の治療薬はフィナステリド(プロペシア®)が有名ですが、6月に新薬「ザガーロ®」が発売されました。

「ザガーロ®」による治療では“脱毛部位に太く長い毛の本数が増える”効果が期待できます。

海外の文献ですが、日本人を含むアジア人が過半数以上を占める患者さんを対象にしたデータでは、

フィナステリド1mgを服用した患者さんよりも「ザガーロ0.5mg 」を服用していた患者さんの方が増毛本数は1.6 倍、毛髪の太さでは1.45倍もありました

当院にも問い合わせが増えてきたため、処方(詳細はこちら)できるようにしました。早速2名の患者さんが希望されましたので、内服してみることになりました。

どうぞお気軽にご相談ください。


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