診療ブログ



2016年10月29日 診療録

以前ブログに粉瘤のくりぬき法の記事を3つ掲載しました(肩1 顔面1 肩2)。

今回はHPを見て来院された、耳前部の粉瘤のくりぬき法を紹介します。

img_7626

耳前部に小指頭大の皮下結節があります。粉瘤と推測して、いつものように4ミリ孔を開けると、

img_7630

中にたまった粥状物(垢)と一緒に腫瘍本体である袋(嚢腫壁)の大部分も排出されてきました。

img_7632

嚢腫壁を全て摘出できました。これを葉状に切除すると、大きな傷跡になりますが、くりぬき法だと傷跡も小さく目立ちません。

今回の症例は、圧迫だけで袋の大部分が押し出されたたため、出血もほとんどなく、非常にスムースに10分もかからずに終了しました。

img_7679

術後1週間後です。すでに術創は上皮化しています。

しかし全ての粉瘤が、くりぬき法で摘出できるわけではありません。感染を繰り返しているものや部位・大きさによっては、単純切除が適していることもあります。

くりぬき法で袋が取り出せなくても、内容物は押し出せて凹ますことはできるし、化膿している場合は排膿して洗浄することで炎症を早く引かせることができます。

皮下のしこりで、たまに押したりすると粥状物がでてきたり、くさい臭いがする場合は粉瘤の可能性が高いです。

気になる方は、ぜひ相談にいらしてください。

 

現在、まきのはら皮膚科ではスタッフ募集中です!ご応募お待ちしております。

☆ 医療事務 (常勤/パート 午前・午後)

経験者 資格取得者 優遇します

☆ 看護師 (パート 午前・午後 午後診可能な方を優遇)

他科の経験しかない方でも可

☆ 看護助手 (パート 午後)

資格不問

詳細はこちらをご覧ください。

 

 



2016年10月18日 診療録

9月21日のブログ(詳細はこちら)で紹介したギラファノコギリクワガタをプレゼントした子供さんが、わざわざお礼の絵手紙を持って、家族全員で来院されました。

cimg1622

パパとママのサポートを受けながら、約束通りかんばって世話しているようです。

近所の友達にワンペアはプレゼントしたとのこと。一緒に育てる仲間ができると、話もはずみ、知識も増えてさらに飼育が楽しくなるね。

目の前の成虫がその形となるまで、どれだけの長い年月がかかったのか、産卵させて、幼虫を育ててみると実感できるよ。

米粒くらいの卵から、1センチにも満たない初齢幼虫が生まれ、少しずつ少しずつ大きくなり、蛹室を作ってサナギになり、サナギから無事に羽化して成虫になる成長過程を自分の目で見てほしいな。イモ虫みたいな幼虫から琥珀色した美しいサナギに脱皮し、サナギのカラを破り、羽化したての真っ白な状態からだんだん黒くなってゆく姿を実際に見ると感動します。

生命の不思議さ、美しさ、そしてはかなさを体験してみてくださいね!



2016年10月17日 診療録

9月度の手術実績をUPしました(詳細はこちら)。

本日も朝一で、10年前からある粉瘤を切除希望の患者さんが来院されました。

肩の粉瘤の手術は2016年10月3日の記事でも紹介しましたが(詳しくはこちら 顔面はこちら)、今回は“くりぬき法”の手術中の写真をお見せしながら紹介いたします。

img_7576

肩の約4cmの粉瘤です。真ん中に小さな黒点(へそ)があり、そこに4ミリの円形メスで孔を開けます。

いつものように臭い粥状の内容物(垢)を押し出した後、孔の縁から袋(嚢腫壁)の端をつかんで、周りの組織から剥離していきます。

img_7579

袋がだんだん剝がれてきて、そろそろ腫瘍の底部です。

無事に袋(嚢腫壁)を、すべて摘出できました。袋を取りきらないと、再発してしまいます。

img_7587

手術時間は10分もかかっていません。術創は4ミリの小孔ですみ、出血もほとんどありませんでした。

 

くりぬき法は傷跡も小さく、患者さんにとっては手術後の処置も簡単で負担の少ない手術法ですが、意外に得意な皮膚科医は少ないです。

他院で“くりぬき法”を断られた方も、お気軽に相談にいらしてください。



2016年10月14日 診療録

9月度の手術実績をUPしました(詳細はこちら)。ほくろやイボよりも、粉瘤の手術が多くなりました。

以前紹介した肩の粉瘤(詳しくはこちら)に続き、今回は顔面の粉瘤の“くりぬき法”の紹介です。

いつもお世話になっている業者さんが、頬の粉瘤を取ってほしいとのことで、朝一番で来院されました。

4-5年前から少しずつ拡大してきており、以前大垣の外科クリニックを受診したけれど、そこでは手術を断られたとのことでした。

感染もなく、何とかくりぬき法で取れそうな触感(これは経験上の勘です)。ちょうど手術枠が空いていたので、お昼過ぎに出直していただくことにして、当日手術することにしました。

img_7562

表面から出っ張っている部分は2~3cmほどでしたが、その周りの皮下にも触れ、全体では5cmほどでした。頬にこれだけの皮下腫瘤があると目立ちます。

局所麻酔をして、4ミリの孔を開け白色内容物(垢)を押し出していると、局所麻酔で袋と組織の間がうまく剥がれたのか、粉瘤の本体である袋(嚢腫壁)の大部分も一緒に出てきました。

 

img_7569

これは残っていた袋の残骸です。

予想していたよりも短い時間で終わり、顔面にもかかわらず、出血もほとんどありませんでした。

img_7566

約5cmあった皮下腫瘤を4ミリの孔から引っ張り出せました。これを葉状(紡錘形)に切っていたら、頬に大きなキズが残ってしまいます。

img_7681

約2週間後の傷跡です。

小さな傷跡ですむことは、“くりぬき法”の最大の利点です。

 

くりぬき法は傷跡も小さく、患者さんにとっては手術後の処置も簡単で負担の少ない手術法ですが、意外に得意な皮膚科医は少ないです。

他院で“くりぬき法”を断られた方も、お気軽に相談にいらしてください。



2016年10月12日 お知らせ診療録

2016年9月に行った手術実績です。

まきのはら皮膚科は、イボ、ほくろ、粉瘤、巻き爪などの手術も手掛けている数少ない皮膚科クリニックです。

毎月手術件数が増えてきました。(手術実績 7月度 8月度 は各月をクリック)

今月は若い女性の巻き爪(陥入爪)の手術を行いました。手術前は不安そうでしたが、手術直後に「今まであんなに歩くと痛かったのが、嘘のように痛みがない!」と、晴れやかな笑顔で帰路につかれたのが印象的でした。

電気手術器
電気メス

 

母斑(ほくろ)        8件

脂漏性角化症(老人性いぼ)  7件

粉瘤             12件 (くりぬき法で摘出)

脂肪腫            1件

その他皮膚良性腫瘍      5件

(皮膚線維腫、石灰化上皮腫、神経線維腫、軟性線維腫、稗粒腫)

陥入爪(巻き爪)      2件 (フェノール法

 

手術は、原則月・火・金の13~14時(予約制)ですが、外来の混み具合によってはその日に可能な場合もあります。

当日手術希望の方は、現在は平日のお昼頃が狙い目です!



2016年10月3日 診療録

まきのはら皮膚科では、各種皮膚腫瘍の手術も行っています(7月手術実績 8月度手術実績)。

 

ほくろやいぼに次いで多いのが “粉瘤(詳しくはこちら)” です。

皮膚の中にクリクリとしたしこりができ、腫瘍の本体は皮膚でできた袋です。その中に垢がたまって大きくなり、化膿することもあります。

当院では粉瘤に対しては、大きく切らずに小さな孔から袋を摘出する “くりぬき法” を行っています。

“くりぬき法” についての問い合わせも増えてきましたので、実際の写真をお見せして説明します。

 

img_7508

右肩の小指頭大のしこりで来院されました。

粉瘤だろうと予測して4ミリの小孔を開けると、案の定おからのような内容物(垢)が出てきました。内容物をすべて排出した後、腫瘍本体である袋を周囲の組織から剥離して摘出しました。

摘出した袋(腫瘍本体)です。これを取り出さないと、また再発してしまいます。

img_7511

傷跡は、大きく葉状(紡錘形)に切除するより、うんと小さくてすみました(4ミリ孔)。この傷跡なら1-2週間で治ってしまい、目立ちません。

 

くりぬき法は傷跡も小さく、患者さんにとっては手術後の処置も簡単で負担の少ない手術法ですが、意外に得意な皮膚科医は少ないです。

他院で“くりぬき法”を断られた方も、お気軽に相談にいらしてください。


makinohara-footer-logo

まきのはら皮膚科は名東区の皮膚科専門医です。

© Makinohara Dermatology / まきのはら皮膚科 名古屋市名東区牧の原3丁目206番